当座預金を持つと、小切手帳と手形帳を手にいれることができます。
小切手は現金と同じです。小切手を支払いに使うだけなら現金払いで充分です。電子マネーの時代です。小切手をもらうための当座開設ならやめておきましょう。
手形というのは、紙に書いた数字がお金になる便利なものです。手形帳をもつことは、紙幣を発行する能力を手にする、ということです。だれでも手軽に銀行業を始めることができる制度です。そんな便利な制度がどうして許されているのか考えてみましょう。
銀行の目的はお金を融通して経済を活発にすることにあります。手形制度の妙味は、金融機関が資金を融通することなしに、民間の商業取引きを回転させることができるところにあります。銀行がリスクを負うことなく、当座の開設者と取引業者の連帯責任においてする商取引に介在できる、銀行にとってはわるくない制度です。税務の把握にも便利です。紙に書かれた商取引き、お金の流れの証明書です。
手形制度は金融業をするためにあります。手形制度は銀行とゼネコンのために作られたのかとも考えています。ゼネコンは下請けを元締めし、手形を発行し工事代金の支払いを先送りすることで金利を稼ぐことができます。下請けは銀行に割引料を払い現金にすることができます。ゼネコンは手形をきって金利を稼ぎ、銀行は割引いて金利を稼ぎます。金融業です。
下請けは、代金を回収するために割引料を支払わなくてはなりません。なぜですか?手形制度は、大きいところが利益を得、小さなところが割をくう制度です。手形制度は、銀行が企業を手張りにするメインバンク制度を支え、ゼネコンが下請け企業を手張りにする建設業の重層下請け制度を支える仕組みです。アメリカに手形の制度はありません。ゼネコンもありません。手形制度は世界の常識ではないのです。
大手ならまだしも、小さな企業が手形をもつと経営は必ずあまくなります。資金の手当が容易にできるから、やるべき経営改革を先送りにしがちです。そのうちに、本来やるべき経営改革と、手形決済の資金作りの、二匹のうさぎを追いかけなければならなくなります。体がいくつあっても足りなくなります。小さな企業が負債をふくらませて倒産に至るのは手形の制度にも原因があります。
手形の法的性格は難解です。経営者の無理解につけこむ悪徳業者もいっぱいいます。手形は持つべきではありません。小さな会社に金融業者の真似はできません。
なによりも電子マネーの時代です。もうそろそろ手形制度も廃止したらどうでしょう。
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